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ホーム > 実績一覧 > 働く女性の子育て支援「ファミリー・サポート・センター」

好評のファミリー・サポート・センター

働く女性の仕事と育児の両立を支援

1999

公明市議の体験から発想 坂口力副代表(元労相)

このファミリー・サポート・センターは、労働省の1994年度の新規事業(国庫補助二分の一、県補助四分の1)で、働く女性の子育てを地域で支えていくのが狙い。今年3月末現在、全国44市でセンターを設立。東海3県では、三重県四日市市と愛知県春日井市の2市で実施している。

同センターのシステムは、育児上の援助を受けたい人(依頼会員)と援助を提供出来る人(援助会員)があらかじめ会員として登録しておく。会員は資格や経験、性別は問わないが、援助会員は原則として四日市市在住の人、また依頼会員はおおむねゼロ歳児から小学校までの子どもを持つ四日市市に在住、または四日市市へ通勤・通学する人。援助会員になるには1日の講習会の受講(無料)が必要。援助活動は原則として援助会員の自宅で行い、宿泊は伴わないことになっている。

サービスを受ける手続きは、依頼会員が同センター事務局(朝7時半〜夜9時)に申し込む。事務局のアドバイザーは日時や場所などを調整して、援助会員に依頼。さらに当事者同士が具合的な打ち合わせをした上で、子どもを預かる。同センターの開館時間以外に突発的な依頼がある場合は、援助会員の中から選ばれた各地区ごとのサブ・リーダーがアドバイザーに代わって連絡調整する。報酬は午前7時から午後7時までは1時間700円(それ以外の時間は1時間800円)で、活動終了後、当事者同士で受け渡しをする。会員同士がコミュニケーションを図るための交流会や、消防署員から子どもの応急手当てと心臓マッサージを学ぶ講習会も開催している。なお事故などの際の保険は、市が負担している。

会員数は援助会員がスタート時点で30人だったのが、現在55人に、依頼会員は同20人が90人に、両方会員が同9人から23人にと、それぞれ増加している。活動実績は97年度が述べ186件、98年度が同1007件、99年度が4月から8月末までで同233件となっている。

昨年度の活動の内容をみると、保育所・幼稚園の送迎および登園前と帰宅後の援助が320件(全体の約32%)、学童の放課後の援助が134件(同13%)、保育所・学校などの休み時の援助が65件(同7%)、その他の用事での預かりが488件(同48%)となっている。

四日市市の老人保健施設で理学療法士として働く鈴鹿市在住の英裕子さん(31)は、一人っ子の京香ちゃんを保育園に預けて働こうと思い、入園を申し込んだが「今、満杯です」と断られた。あちこちの無許可保育所も当たってみたが、設備が古かったり、衛生的でないなどで悩んでいる時に、このセンターのことを知り、昨年10月、保育園が空くまでということで申し込んだ。勤務が午前11時から午後4時までのパートであり、近所の援助会員・吉田久代さん(63)に月曜〜金曜の午後一時から4時まで預かってもらった。

英さんは「吉田さんは育児の経験豊かな方で、祖母のような温かな視線で面倒を見てもらい、安心して仕事に集中できました。私が静岡県生まれ、主人が岩手県出身で近くに親戚もいないので、育児の相談相手になってもらっています。京香は今年4月から地元の保育園に入園しましたが、二人目の子が11月に出産予定なので、また面倒を見てもらおうかなと考えています」と感想を語る。

一方、3人の子どもを育て上げた援助会員の吉田さんは、「自分の子どもを育てる時は必死でしたが、京香ちゃんを預かった時は、一日一日が感動の連続で、楽しみながら育児の手助けができました。友人たちからは『最近、若くなったね』といわれます」と、楽しそうに体験を語る。

四日市市でのファミリー・サポート・センター立ち上げの契機は、94年2月、公明党女性局主催の「女性施策関連予算説明会」に公明党の市川悦子・四日市市議とともに、当時、女性課長をしていた坂倉加代子副収入役が参加し、労働省の94年度の新規事業としてファミリー・サポート事業を知ったこと。市川市議と坂倉課長は「素晴らしい施策であり、ぜひ、この事業を実施したい」と約束し合ったという。

翌95年3月に出された「四日市市女性施策プラン懇話会報告」には、仕事と育児を支える条件整備の一つとして「労働省から出されているファミリー・サポート・センター事業を実施する」と明記。同年8月には市の女性職員13人で構成する「市女性施策検討委員会」を発足させ、四日市市にマッチした独自性のある同センター事業にするため、月1回会議を重ねてきた。

その結果、96年の2月と9月には「子育てサポート・ボランティアのためのゼミナール」を開催し、質の高い援助会員の養成に乗り出した。第1回は5回の連続講座で全講座受講者は27人、第2回は9月から翌年3月までの連続7回の講座で、37人が受講した。市女性課の塗矢智恵子課長は「わが市のファミリー・サポート・センターの特長は、立ち上げの準備に2年間もの時間をかけて援助会員の質を高めたことです」と語っていた。

ファミリー・サポート事業は、私が細川内閣の労相(93年8月〜94年4月)をしていた時に、94年度の新規事業として実施したものです。

坂口 力 氏

私は大臣に就任していらい、一人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率(93年度1.46、98年度1.38)が下がり続けていることから、何とかそれに歯止めをかけたいと思っていました。そこで出生率を上げるための方策の一つとして、働く女性への育児の支援策を考えていたのです。

93年秋、公明党三重県本部で女性議員と懇談する機会がありました。その折、県立桑名高校の教師をしながら3人の子育てをした経験を持つ市川悦子・四日市市議から「教師の仕事が忙しく、絶対に学校を休めないような時ほど、子どもが風邪を引いたり、病気になるものです。私の場合は母が面倒を見てくれたからよかったのですが、面倒を見てくれる人がいなかったら、教師を続けることはできなかったのではないでしょうか」との体験を聞きました。

労働省に帰って、当時の婦人局長(一昨年から女性局長に)の松原宣子さんに「地域で母親のように、子育ての”助っ人”をしてくれる制度ができないものか」と相談しました。さすが、女性の第一号の事務次官になった人だけに翌日の朝、持ってこられたのが、現在のファミリー・サポート事業の構想だったのです。ずっとこの構想を練って温めていたのではないかと思います。

現在、公明党は働く女性の子育て支援策として、駅前保育所など規制緩和による保育所の増設や、保育所への入所待機者の解消に真剣に取り組んでいます。そうした中、働く女性と保育所・小学校の中間にあって、子どもが病気の時や緊急の仕事が飛び込んできて定時に帰れない時などに子どもを預かり面倒を見てくれるファミリー・サポート事業は不可欠の存在です。まだまだ、全国に44カ所と少ないのですが、全国各地に普及させたいと思っております。

公明新聞記

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